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2)数値解析法による床振動解析、床衝撃音解析プログラム(有料)
面内面外連成型有限要素法による床振動解析と
床衝撃音解析プログラム
床衝撃音計算ソフトの拡散度法は、RC床スラブを対象とした計算ソフトですが、本計算プログラムは、RC造は勿論、鉄骨造や木造にも適用できる汎用の床振動、床衝撃音プログラムです。計算手法は、床振動に関してはFEMによる数値解析手法、音響放射に関しては波動関数法を用いており、これらを総合して床衝撃音の数値解析を可能としたプログラムです。FEMに関しては、多様な断面変化の床構造に精度よく対応するため、独自に開発された面内面外連成型の有限要素法が用いられています。プログラムは、有償で提供しておりが、内容や使い方を知りたい方のために、「解説および利用マニュアル」が無料でダウンロードできます。
■ 面内面外連成型有限要素法とは
八戸工業大学・橋本研究室が独自に開発した有限要素法解析手法です。有限要素法を用いた板や床版の振動解析では、通常は微小変位理論に基づいた平板曲げ解析が行われていますが、この時の板の中立軸は常に断面の中央に位置していると仮定されています。この方法は静的な解析を対象にした場合には特に問題はありませんが、振動などの動的解析では大きな誤差を生じることになります。特に、平板以外の断面が変化する板では、実際の状況と大きく異なることになります。当解析では、小梁付床版や変厚板の振動も高精度で解析するため、通常の曲げひずみ(面外ひずみ)の他に、下図に示すように面内の変位(ひずみ)を導入し、面外ひずみと面内ひずみを連成させて、中立軸の変化に対応したひずみ状態を表現する方法を開発しました。
■ 層別化による3次元構造の取り扱い
本解析手法のもう一つの大きな特徴は、下図に示すように任意の断面形状の板を、断面方向に層別化して取り扱う方法を開発したことです。この層別化処理と断面に応じた中立軸移動の組み合わせにより、本来は3次元問題としての取り扱いが必要な構造を2次元の板構造として取り扱うことが可能になりました。3次元構造では、解析データの作成作業やメモリー容量などが膨大になり、作業も複雑でなかなか汎用的な解析手法としては使えませんが、2次元の場合にはこれらが格段に簡略化され、かつ、本プログラムが板振動の専用プログラムとして作られているため、使い勝手は大変に簡便になっています。本方法によれば、原則的にはいかなる断面形状の板も解析が可能となります。
■ 数値解析プログラムについて
数値解析プログラムには以下に示す4つのプログラムがあります。振動解析関係では、固有値解析と振動応答解析、放射音関係では床衝撃音解析(放射音解析)と音響放射率解析があります。何れのプログラムも筆者の研究室で独自に開発された手法です。 振動解析プログラムでは、固有値解析、振動応答解析ともに面内面外連成型有限要素法による計算手法を用いています。これらは、同種の市販プログラムに較べ適用性と計算精度に優れ、かつ床振動解析専用プログラムとしての使い良さを有しています。床衝撃音解析(放射音解析)プログラムでは波動関数法を用いており、振動応答解析プログラムにより出力される振動加速度波形データを用いて放射音をスペクトルレベルで解析ができます。音場解析には有限要素法や境界要素法がよく用いられますが、これらは3次元空間の解析となるためかなり面倒であり、音圧を計算するだけなら本手法の方が簡便であり、精度的にも全く問題ありません。その他、音響放射率解析プログラムも準備されています。
プログラム名 | 内容 | 手法 | プログラム行数 |
NHMEVA | 矩形板の固有値解析プログラム | 面内面外連成型有限要素法 | 1930 |
NHMFVA | 矩形板の振動応答解析プログラム | 面内面外連成型有限要素法 | 2769 |
NHMSND | 床衝撃音解析(放射音解析)プログラム | 波動関数法 | 517 |
NHMRAD | 音響放射率解析プログラム | 離散的数値計算法 | 473 |
■ 解析可能な床断面構造
当プログラムで取り扱える代表的な断面の一覧を示したのが下図です。平板はもとより、任意の変厚板や2重床版、あるいは木造床構造や鉄骨構造などの多様な床版の振動解析および床衝撃音解析が可能です。これ以外にも、矩形版であれば殆どの床構造の振動解析が可能です。例えば、鉄鋼造デッキプレート床の振動解析や床衝撃音解析も簡易に実行でき、解析精度も十分であることが確認されています。
「解説および利用マニュアル」の解析例では、浮床構造や木造の大引き根太床、ボイドスラブ(中空スラブ)などの実際の解析例と入力データも示していますので、本解析プログラムの利点がご理解頂けると思います。是非、ご参照下さい。
■ 「解説および利用マニュアル」について 数値解析プログラムには「解説および利用マニュアル」が用意されています。プログラム自体は有料ですが、この「解説および利用マニュアル」は無料でダウンロードできます。ご興味のある方やプログラムの内容を確認したい方は、下記からダウンロードして下さい。「解説および利用マニュアル」の内容については、下記の目次をご参照下さい。 「解説および利用マニュアル」のダウンロード
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<解説および利用マニュアルの目次>
第1章 解析プログラムの概要、特長 1.1 振動解析手法の特長 1.2 振動解析プログラムの概要 1.3 床衝撃音解析プログラムの概要
第2章 入力データ作成方法 2.1 振動応答解析プログラム 2.2 固有値解析プログラム 2.3 放射音解析(床衝撃音解析)プログラム 2.4 音響放射率解析プログラム
第3章 解析例、解析モデル例 3.1 解析例(A):矩形平板の固有値解析、振動応答解析 3.2 解析例(B):人走行時の床振動応答解析 3.3 解析例(C):木造床構造の振動応答解析、床衝撃音解析 3.4 解析例(D):RC造ボイドスラブの振動応答解析、床衝撃音解析 3.5 解析例(E):音響放射率解析
参考文献 |
■ FEM解析プログラムの適用例(参考)
(日本建築学会技術報告集、掲載論文より)
■ お問い合わせ
数値解析プログラムに関してご質問等がある場合は、ご遠慮なく下記までご連絡下さい。
メールアドレス:noiselabo@snow.plala.or.jp